特定看護師になるための特定行為研修が短縮される
特定看護師になるための特定行為研修が短縮されることが決まりました
はじめに
特定看護師になるための特定行為研修が短縮されることが決まりました。
特定看護師は2015年10月に厚生労働省が開始した制度ですが、
法律上では「特定看護師」という資格はなく、
「特定行為研修を修了した看護師」が「特定看護師」あるいは「特定ケア看護師」とよばれています。
特定看護師になるためには特定行為研修を受ける必要があるのですが、
厚生労働省は特定行為研修の共通科目を65時間短縮することを決定しました。
厚生労働省は特定行為研修の短縮を決定
特定行為研修を受けた特定看護師は、
医師がいない条件でも、
- 気管カニューレの交換
- インスリンの投与量調整
など、38の特定の医療行為ができるのです。
詳しく見る ⇒ 特定行為研修を受講して特定看護師になる
この制度は厚生労働省が2015年に始めた制度で、
団塊の世代が75歳以上に達する2025年までに特定看護師を10万人以上にする目標を掲げています。
就業看護師数は、「2014年衛生行政報告例(就業医療関係者)」による108万6779人ですから、
看護師の約10人に1人を特定看護師に育成しようとしているのです。
しかし、
- 看護師として働きながら研修を受けるには時間的な負担が大きい
という問題などもあり、
2018年9月末時点で特定行為研修を受けた特定看護師は1,206人しかおらず、
厚生労働省は、
特定行為研修を受講しやすい内容に見直すことを決定しました。
詳しく見る ⇒ 厚生労働省は特定行為研修を見直しの意見聴取を開始
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見直しでは、特定行為研修の質を保ちつつ、看護師が受講しやすい学習内容にするのが目的ですが、
厚生労働省の見直し案では、
共通科目については、
- 臨床病態生理学 を45時間から30時間に短縮
- 疾病・臨床病態概論 を60時間から40時間に短縮
- 医療安全学と特定行為実践 を計75時間から計45時間に短縮
など、合計315時間から合計250時間に65時間も短縮されることになるようです。
区分別科目についても、
在宅領域における研修では、
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 を22時間から9時間に短縮
- 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連を21時間から8時間に短縮
- 循環器関連 を45時間から20時間に短縮
- 栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 を36時間から16時間に短縮
- ろう孔管理関連 を48時間から22時間に短縮
するなど、
大幅な研修時間の短縮がおこなうとしています。
厚生労働省は、これらの改正案についての意見募集をおこなっており、
4月下旬に改正省令がおこなわれる予定です。
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まとめ
厚生労働省では、
2025年までに特定行為研修を受講した特定看護師数を10万人以上にすることを目指しており、
今回の特定医療研修の見直しもより多くの看護師が特定行為研修を受講することができることを目的としたものです。
近い将来、看護師の10人に1人がるが特定医療研修を受けた特定看護師になり、
医者の不在の条件でも特定の医療行為ができるようになるのです。
将来的にも看護師を続けていこうとするなら、
スキルアップとして特定行為研修を受けて特定看護師になることも考えておいた方が良さそうです。