看護師にも学歴が必要になる
看護師の国家試験に合格すれば看護師になれます。
国家試験の受験資格は様々な方法で取得できますが、最近は大卒の看護師が増えています。
看護師にも学歴が必要なのでしょうか。
看護師になるには大卒である必要はない
看護師になるには看護師の国家試験に合格すれば良いのです。
看護師の国家試験の受験資格は、看護専門学校、看護短期大学、看護大学で看護教育を3~4年間、履修すれば良いのです。
ですから、4年制の大学に入学する必要はありません。
現在の、看護教育施設の定員を見てみると、下記の様に、専門学校が60%を占め、大学は28%に過ぎません。
また、2014年度の看護師国家試験の合格者の中で大卒者は約30%で大卒の占める割合はさほど多くないのが現状です。
看護師の学歴が高いと患者の死亡率が低い
看護師の学歴が高いと患者の死亡率が低下するという論文が、国内でも看護師関係者で非常に大きな話題を呼びました。
これは、第7次欧州研究開発フレームワーク計画とアメリカの国立看護研究所の支援のもとに行われたもので、
- イギリス、フィンランドなど欧州の9カ国の300ヵ所の医療施設で、
- 50歳以上の一般的な外科手術を受けた42万2,730人の患者と、
- その看護に従事した看護師2万6,516人を対象に
について調査が行われました。
その結果、
- 看護師1人の仕事量が患者1人分増えると患者の入院から30日以内の死亡率が7%上昇
- 大学卒業の看護師が10%増えるごとに、院内死亡率は7%減少
ということが判明し、
看護師の60%が大卒で、看護師1人の患者数が6人の病院では、
看護師の30%が大卒で、看護師1人の患者数が8人の病院と比べて、
院内での死亡率が約30%減少する
と推定されたのです。
これらの知見から、アメリカの25の州では、看護師の人員配置が法律などで制定され、医学研究所は、2020年までに看護師の80%が学士号を取得することを推奨し、実際に、病院側も大卒の看護師の雇用を優先しているそうです。
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看護師にも学歴が必要になる
最近、看護大学が急増しています。
平成元年には看護大学は僅か11、定員も558名に過ぎなかったのですが、20数年で大学数は20倍、定員も40倍近く増加しました。
これは、少子化に伴う大学の定員割れ対策なども背景にあるのですが、
1992年の厚労省にり「看護師などの人材確保の促進に関する法律」が制定され、看護師等の養成、処遇の改善、 資質の向上、就業の促進等を図る施策がとられたことや、
2011年に文科省が、大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会の最終報告において「看護系大学の設備充実を一層促進する必要がある」との方針を示したことなどが大きく影響を及ぼしていると考えられます。
看護師にも高度な教育が求められる
看護師の国家試験に合格すれば誰でもが看護師であり、学歴は関係ありません。
4年の看護大学を卒業しても、保健師や助産婦の資格を得ることができますが、看護師としての資格に差があるわけで貼りません。
しかし、
医師、看護師、薬剤師が一つのチームを作って医療に当たる、「チーム医療」により、看護師にもより高度な看護技術や能力が求められつつあります。
さらに、高度な先進医療や専門領域に特化した医療においては、高学歴の看護師のニーズは益々高まるとみられています。
2016年5月17日に、日本看護協会(日看協)は、厚生労働省に対して、看護教育の4年制への移行についての要望書を提出しています。
4年制大学と、3年制の専門学校では教育費が大きく異なってきますので、誰でもが大学に進学できるわけではありません。
もし、貴女が、
- 大学病院や国立の病院で働いてみたい
- 高度医療や先端医療の病院で働いてみたい
という希望を持っているのであれば、大学進学を考えてみた方が良いかも知れません。
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