認定看護師になるための期間と費用は?
看護師のキャリアアップの資格としては、
- 認定看護師
- 専門看護師
がありますが、
専門看護師は、
特定の専門看護分野の知識・技術を深めた看護師
ということで凄い看護師として認められるのですが、
大学を卒業してから2年の大学院・修士課程を終了する必要がありますから、
ちょっとトハードルが高いかもしれません。
一方、認定看護師は学歴は関係なく、
定められた研修を行って認定試験に合格すれば誰でも認定看護師になれるのです。
昨年度は1,671 人の認認定看護師が誕生して、認定看護師は18,728人になりました。
看護師と准看護師を合わせた就業看護職員数は150万人くらいですから、
看護師80人に1人の認定看護師がいる計算になります。
認定看護師になるためには費用や期間はどのくらいかかるのでしょうか?
キャリアアップには認定看護師がオススメ
認定看護師とは、
日本看護協会が1996年に制定した認定看護師制度で、
21の看護分野のいずれかにおいて、
- 熟練した看護技術で水準の高い看護を実践できる(実践)
- 看護実践を通して看護職に対し指導を行える(指導)
- 看護職に対しコンサルテーションを行える(相談)
という能力を持つ看護師として認定された看護師のことです。
自分自身が高い看護技術を有するだけでなく、
- 他の看護師を指導できる
- 他の看護師のコンサルテーションができる
ことが求められるのです。
コンサルテーションとは看護教育で習ったかと思いますが、
簡単にいえば、「悩みや問題を解決する手助け」ということで、「相談」という言葉で置き換えても良いかもしれません。
認定看護師が急増
日本看護協会により、1996年から毎年1回、認定審査が行われており、
2017年度の第 25 回認定審査では、
- 受験者 : 1,671 人
- 合格者 : 1,478 人
- 合格率 : 88.5%
と、新たに1,671 人の看護師が認定され、
認定看護師は18,728人になりました。
詳しく見る ⇒ 速報・2017年の認定看護師の認定結果
認定看護師はここ数年で急増しています。
就業看護師数は150万人くらいですから、
看護師80人に認定看護師が1人いる割合になります。
認定看護師では21の看護領域があるのですが、
認定看護師数が 1,000 人を超えている看護分野は、
- 感染管理 : 2,744人
- 皮膚・排泄ケア : 2,419人
- 緩和ケア : 2,211人
- がん化学療法看護 : 1,5030人
- 救急看護 : 1,205人
- 集中ケア : 1,169人
- 認知症看護 : 1,003人
の7分野です。
認定看護師制度が変わる
日本看護協会は、
1996年に制度を開始してから20年を経過し、
- 医療
- 保健福祉
の変化に応じた見直しが必要だとしています。
詳しく見る ⇒ 認定看護師制度はどう変わるのか?
6月13日に開催された平成30年度全国看護師交流集会において再構築に関する情報提供をおこない、
6月中に日本看護協会のホームページで明らかにするとしていますが、
6月末日現在、まだ公開されていません。
2025年には団塊の世代が75歳以上となり高齢化社会が一層進展するとして、
在宅や地域医療の充実にも貢献できるように、
2020年頃を目処に認定看護師制度の再構築が検討されているのです。
日本看護協会の情報が明らかになったら速やかにご紹介しましょう。
Sponsored Link
認定看護師になるための期間と費用
認定看護師の認定試験を受ける条件としては、
- 看護師として5年以上の実践経験(内3年以上は専門分野での看護経験)
- 615時間以上の認定看護師教育を受講
という条件をクリアーする必要があります。
したがって、
看護師として働いた期間が5年は必要で、
それに加えて615時間の認定看護師教育課程を受講する必要があるのです。
認定看護師教育課程は全国で行われますが、各分野ごとに実施する医療機関が決められており、
その医療機関において615時間の研修を受けなければならないのです。
615時間は約6ヵ月の期間になります。
認定看護師教育課程の教育機関 ⇒ コチラで検索
認定看護師の研修費用
この研修は有料で、
- 入学金: 5万円程度
- 授業料: 70万円程度
- 実習費: 10万円程度
となりますから、
合計で85万円の費用がかかります。
また、
認定試験では、
- 認定審査料 : 5万円
- 認定料 : 5万円
が必要です。
ですから、認定看護師になるためには総額で約100万円が必要になります。
研修期間中は休職扱いが多い
認定看護師教育課程での研修期間中は勤務している医療機関で看護業務には就けません。
したがって、
研修期間中は働いている医療機関によって異なりますが、
- 研修や出張扱い
- 休職や退職扱い
になるようです。
日本看護協会の調査によると、
- 出張扱い : 47.5%
- 研修扱い : 31.1%
- 休職扱い : 13.0%
- 退職扱い : 3.9%
そしてその期間の給料については、
- 基本給のみ支給 : 54.9%
- 全額支給 : 28.6%
- 無給 : 7.5%
- 一部支給 : 7.0%
だったそうで、
ボーナスなどの賞与については、
- 全額支給 : 71.1%
- 支給なし : 18.5%
- 一部支給 : 10.5%
だったそうですから、
ほとんどの医療機関では、認定看護師の研修中はかなり優遇してくれているようです。
詳しく見る ⇒ 認定看護師の研修期間中の処遇について
さらには、
- 研修期間中の交通費
- 認定審査費用
までも負担してくれている医療機関も有るようです。
6ヵ月間の研修があなたの居住している場所から通学できる場合には問題はありませんが、
通学できない距離であれば6ヵ月間はアパートなどを借りる必要がありますが、
- 病院の支援制度
- 奨学金制度
を利用することもできますから、自己負担を軽減できる可能性もあります。
認定看護師は看護師75人に1人の割合ですから、
看護師のキャリアアップとして認定看護師はオススメです。
認定看護師になったからといって直ぐに昇進したり昇給するというような短期の効果はないかもしれませんが、
- 将来的にも長く看護師として働きたい
- 看護学校卒で学歴に引け目がある
というようなことであれば是非とも挑戦した方が良いと思います。