看護師資格がマイナンバーで一元把握される
はじめに
1月20日の日本経済新聞に、
「医師・看護師を一元把握」
という記事が掲載されましたが読まれましたか?
政府は2024年度までに、
医師や看護師の住所や資格情報などをマイナンバーと連携させて一元的に管理する
というのです。
看護師資格をマイナンバーで一元把握する目的は何なのでしょうか?
看護師資格をマイナンバーで一元把握する
1月20日の日本経済新聞によると、
政府はマイナンバーにより看護師や医師の資格情報を一元把握する法案を今国会に提出するとのことです。
マイナンバーにて、看護師や医師の転居や死亡を確認し資格情報に反映する仕組みにするというのです。
デジタル化の促進に伴って、
- 運転免許証
- 健康保険証
をマイナンバーカードでも有効にしようとの改革が進んでいますが、
これは、国民全員に12桁のマイナンバーを割り振り、
この12桁のマイナンバーにより、
今までは別々の番号で管理されていた
- 住民票コード
- 基礎年金番号
- 健康保険被保険者番号
などを一元化しようというのです。
詳しく見る ⇒ マイナポータルとは(内閣府)
そして、12桁のマイナンバーを記したカードがマイナンバーカード、
政府が運営するマイナンバーによるオンラインサービスがマイナトータルなのです。
看護師は住所などの情報を届け出る義務がある
現時点では、マイナンバーと種々の資格とは紐付けされておらずマイナンバーと連携しなくても罰則はありませんが、近い将来、上に書いた社会保険や各資格との連携化がなされると思われます。
こうなると、看護師の個人情報が国に管理されてしまう、、、とお思いの方もおられるでしょうが、
看護師には住所などを届ける義務があるのです。
2015年10月に「看護師等の人材確保の促進に関する法律(人確法)」が改正され、
看護職は離職時などに、
- 住所
- 氏名
- 免許番号
などを都道府県ナースセンターへ届け出ることが努力義務化されたのです。
届け出のその目的は、
都道府県ナースセンターが看護師の離職等の状況に合わせた支援を行い、
看護職としての切れ目のないキャリアを積むことを支援するため
とされています。
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マイナンバーで看護師資格を一元把握する目的
マイナンバーで看護師資格を一元把握する背景にはデジタル庁が開設されたことにもよりますが、
新型コロナウイルス感染の拡大により医師や看護師の確保が大きな課題になったからでもあります。
団塊の世代が75歳以上となる2025年には大幅に看護師が不足すると予測されているのです。
厚生労働省の発表では平成23年時点での看護師の就業状況は、
- 就業看護師 : 150万人
- 潜在看護師 : 71万人
ということで就業看護師数は過去最多となっているのですが、
看護師資格を持っているが看護師として働いていない潜在看護師が非常に多いのです。
2025年の看護師不足問題を前に、厚生労働省は潜在看護師の復職支援に向けてさまざまな施策を行っているのですが、
マイナンバーによる看護師資格の一元把握もその一環なのです。
上に書いたように、看護師職の離職時には住所などを届ける義務があり、
2年毎に、氏名や住所、勤務地を厚労相や都道府県知事に届け出るなければならないのですが、
住所変更を随時申告する義務はなく、届け出を怠っている看護師も多いのです。
2019年末時点での看護師資格を有するものは207万人とされていますが、
これは死亡者を含む数字であり、遺族の9割は届け出ていないと推測されるのです。
政府は、
今国会にマイナンバーと国家資格の情報を連携する法案を提出し、2024年度までにはマイナンバーを使って転居や死亡を確認して資格情報に反映するシステムを整備する計画です。
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まとめ
政府はマイナンバーで看護師資格を一元化する意向を明らかにしました。
マイナンバーで個人情報を管理されてしまうのか?
との不安もあるでしょうが、
看護師は、
- 2年毎に勤務状況などを申告する義務
- 看護師職を離職時には届ける義務
があるのですが、これをマイナンバーで管理すると言うことなのです。