看護師になるなら看護大学が有利
看護師になりたいけど、
- 4年制の看護大学に行った方が有利なのか?
- 3年制の看護短大でも良いのか?
との質問がありました。
4年制の看護大学と3年制の看護短大のメリットについて調べてみました。
看護師になるためには
看護師になるためには、看護師の国家試験に合格する必要があります。
看護師の国家試験を受けるには、
- 文部科学省指定の学校を卒業していること
- 厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業していること
が必要になります。
文部科学省指定の学校には、
- 4年制大学
- 3年制の短大
- 3年制の専門学校
- 3年制の看護師学校
があります。
2年制の看護専門学校もありますが、2年制を終了して目指せるのは准看護師ですし、准看護師の資格は廃止の方向性で検討されていますので、今回は対象外としましょう。
すなわち、
- 看護短大 : 3年
- 看護大学 : 4年
のいずれかを終了する必要があり、
看護師になるには、高校卒業後に3年以上学校で学ぶ必要があるのです。
看護大学が増えている
看護大学は、4年制で看護教育を行ってい大学です。
しかし、看護学部看護学科のみの単科大学、総合大学で医学部保健学科で看護教育を行っている大学、医学部の看護学科で看護教育を行っている大学など、形態は様々ですから、看護系大学などと称されることもあるようです。
看護師の国家試験受験資格を取得できる大学数は、
- 国立大学 : 42校
- 公立大学 : 46校
- 私立大学 : 184校
ありました。
なおこの件数は昨日(2018.65.17)に私が検索した数字ですので、多少の誤差があることをご容赦ください。
また、定員、総定員数も算出したかったのですが、全てがweb上で公開されていませんし、数が多いのでちょっと困難でした。
看護大学の中でも、「国立看護専門大学校」は2001年に東京都清瀬市に開校した最も専門性の高い看護師の育成を目的として設立された看護師養成専門大学です。
国立看護専門大学校では、国立国際医療研究センターや国立がん研究センターなどの国立高度専門医療研究センターで求められる高度な臨床看護実践能力、 臨床看護研究能力を身につけ、先端医療の現場や広く海外で活躍できる看護師、助産師を育成することを目的としています。
この他にも、国公私立を含め270余校の看護大学があります。
4年制の看護大学で修学すると、
- 看護師
- 助産師(女子学生のみ)
- 保健師
の受験資格も得ることができます。
さらに、大学によっては、
- 養護教諭
の資格を得ることのできる大学もあります。
さらには、
大学院修士課程を終了すると、
- 看護協会の認定看護師
の受験資格を得ることができます。
認定看護師とは、
日本看護協会の認定する特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる看護師
で、大学院・修士課程を卒業してこの資格に合格すれば認定看護師となり、特定の分野の専門的な看護業務の指導者になることができます。
なお、看護大学の大学院修士課程を終了せずにこの受験資格を得ようとすれば、
- 看護師として5年以上の実践経験
- 日本看護協会が定める615時間以上の認定看護師教育を終了
した後に、認定看護師認定審査に合格する必要があります。
審査合格後も5年ごとに資格を更新できますが、2016年1月現在では、全国の認定看護師は15,817名です。
なお、厚労省の発表による就業看護師総数は2014年末時点で108万6,779名です。
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看護師で学歴は有利になるか
看護師になるためには3年制の看護師専門学校・看護系短大、または4年制の看護系大学のいずれかを卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師の免許を取得すれば、誰もが看護師として平等のはずなのですが、
学歴によって待遇や昇進に差がつくのか?
というのが、3年制の看護系短大を選ぶか、4年制の看護大学を選ぶかで迷ってしまうのですね、、、。
給与では看護大学が有利
これははっきりしています。
就職する医療機関ごとに差があるので一概には言えませんが、大卒の看護師の初任給は、短大卒や専門卒の給与よりも高額になることは明確です。
一般大学においても、4年制大学を卒業した場合と、3年あるいは2年の短大を卒業した場合では初任給には差があるのは普通です。
4年制と3年制と、1年ですが現在の1年後の昇給額はどこでも少額ですから、初任給の差額を詰めるには年数がかかると思います。
例えば、たかが数万円の差といっても月では2万円でも1年間で24万円、10年間で240万円もの差になるのですが、1年間の授業料や生活費もかなりの額になるので、一概の大学卒が有利だとは言い切れません。
学歴は昇進や転職に有利か?
高学歴 ⇒ 昇進に有利 ?
医療機関が新卒の看護師を採用する際に、学歴は一つの判断基準になることは確かのようです。
全く経験のない看護師の能力を計る診断基準が学歴であることは致し方ないでしょう。
当然、国立、公立、私立などの経営母体や、大学の偏差値も判断の基準に使われることは間違いないでしょう。
しかし、高学歴の看護師が必ず優秀な仕事ができるわけではありませんので、勤務に就いてからに評価は貴女の実力次第でしょう。
転職に際しては学歴は必ずしも判断基準になるとは限りません。
それが証拠には、中途採用の求人広告では「経験4年目、年収400万円」などと、経験年数から算出された給与が明示されており、他の業種のように、「4年制大卒を求む」などの求人広告は見られません。
転職による中途採用の場合には、最も重視されるのは経験年数や看護スキル、そして面接での対応如何で、中途採用で看護師を採用する医療機関が求めるのは学歴ではなく、「豊富な経験や知識」、「的確な判断や行動ができるか」ですから、学歴は参考程度だと考えて良いでしょう。
一刻一秒を争う医療現場で、高く評価されるのは学歴ではなく、看護能力なのです。
看護大学の有利点
ここまででみると、看護大学を卒業しても初任給がやや高いだけで有利な点やメリットがないように思われるかも知れませんがそうではありません。
学歴が給与や転職にあまり影響しない、ということをお話してきましたが、看護大学を出ると大きなメリットもあります。
- 知識やスキルが非常に大きい
修学期間が1年間も長いということは非常に大きなことです。
自分では気づかないことですが、1年間真面目に勉強して得る知識やスキルは非常に大きなものです(1年間真面目に勉強した場合ですが、、)。
例えば、就職してから大学で1年間に得られる知識を学ぼうとすれば、3年から4年の期間が必要になるでしょうから、このメリットは就職してからでは取り返せないほどの膨大な量だといえるでしょうから、大卒であることの最大の強みは、未来への可能性をより広げられることなのです。
さらに、管理職になる場合には大卒の学歴が優遇されるという傾向は少なからずあるようですし、助産師、保健師への転向の可能性、さらに大学院に進学すれば認定看護師の資格取得も可能ですし、研究職や教育職に就けるなど、看護大学を出たからこそ開けるキャリアの選択肢は沢山あるのです。
看護師になるためには3年制の看護短大や専門学校でも充分です。
- 生涯にわたって看護師を続けたい
- 4年制に進学できる経済的余裕がある
ということであれば、看護大学へ進む選択肢も考えた方が良いでしょう。
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